家族葬プラン

最近は「家族葬」という形式で葬儀を行う方が多くなりました。家族葬は職場とか故人の単なる知り合いなど、社交上の理由で葬儀に出席する人を排除し、家族・親族・ごく親しい友人だけで行う小規模な葬儀です。 最近では高齢になり職場や友人などとの付き合いも少なくなっているのが実情です。大規模な会場を借りて行っても、参列者が少ない場合には寂しく感じるのではないでしょうか。このような事情から自分が死んだ後は家族葬を希望する方が増えています。参列者を50名以内に抑えられるようであれば家族葬を考えるのが適切です。 また、葬儀の内容を自由に設計することができ、型にはまった葬儀でなく、故人の趣味などを活かした形にすることができるのも家族葬の特長です。
家族葬の葬儀の流れ
1.逝去
まず葬儀社に連絡し、火葬までの手順を相談します。できれば複数の葬儀社から相見積もりを出してもらい、費用や内容を検討した上で決定します。医師に死亡診断書を発行してもらい、葬儀社に火葬許可証を手配してもらいます。
2.遺体を安置
自宅あるいは葬儀社の用意した安置施設に運搬してもらいます。特にご遺体を自宅に運ぶと近所の方に不幸があったことを知られるのを避ける場合は、安置施設を利用するとよいでしょう。安置施設の中には家族がいつでも面会できるものもあります。
3.参列者への連絡
葬儀にお呼びする方のリストを作成します。このとき、どこまでお呼びするかは、家族が親族代表の意見を取り入れるなどして決めます。参列いただく人にはお伝えし、参列を辞退する人には、そのことを訃報に明記するか、伝えないようにします。
4.通夜
親しい方が故人と最後の夜をゆっくり過ごすことができます。最近は1日葬で読経を伴う通夜を行わない場合もあります。
5.告別式
遺体を納棺します。葬儀社が用意した棺に遺体に仏衣を着せて納めます。このとき、故人の愛用したものを一緒に入れることもあります。告別式が済み、最後のお別れをしたら棺に花を詰め、葬儀社が用意した霊柩車で火葬場に運搬します。
6.火葬
僧侶の読経中に遺族が最後のお別れをし、火葬します。火葬が終わるまでの間、遺族は別室で待機します。
7.骨上げ
火葬が済むと遺族が2人1組で遺骨を骨箸で挟み、骨壺に納めます。遺族は骨壺を持って自宅に戻ります。
8.初七日・精進落とし
告別式の会場に戻り、通常はこのときに初七日を行います。終わると僧侶と共に精進落としの食事をします。
家族葬で親族を呼ぶ範囲
故人の遺族のほかに兄弟姉妹や親族など普段付き合いのある範囲にとどめます。故人の友人で、ぜひ葬儀に出席したいという方は呼んでいただいて構いません。そのほか故人の出していた年賀状や電話番号からも親しい範囲を知ることができます。後でトラブルの元となりますので、遠方の親族や遠い親戚であっても声をかけるかどうかは家族が決め、迷う場合にはお呼びするほうがいいでしょう。そして呼ばない方には連絡を差し控えます。お呼びする方に対しても、家族葬ですからといって知り合いに声をかけるのを差し控えていただく旨を伝えてください。 案内をしなかった親族や友人には、葬儀が終わった後で失礼のないよう丁重に報告しておきます。 予め呼ぶ方の人数が決まっているので、返礼品や精進落としにかかる無駄な費用も押さえられます。受付や会計も気心の知れた方たちだけで行うので、応援を頼む必要もなくなります。 家族や親しい友人たちと故人との別れの時間をゆっくり取り、思い出話をすることで、お互いの関係を深めることができ、故人を失った悲しみも小さくなります。
家族葬のデメリット
故人の知り合いで葬儀後に参列できなかった方たちがぜひ弔問したいということでひっきりなしに自宅に訪れることがあり、その対応に追われることもあり得ます。その対策としては、後日関係者を集めて故人を偲ぶ会などを催すのも一つの手段です。故人の友人など多くの方が参列することを希望している場合は、家族葬ではなく、一般葬に変更することも考えるべきです。後から弔問する人が絶えないという事態も防げます。
家族葬の相場
2016年の首都圏での家族葬にかかる費用はおよそ115万円でした。この中には
【葬儀一式の費用】
- ・安置料金
- ・花祭壇
- ・仏衣
- ・棺
- ・骨壺・骨箱
- ・焼香台
- ・葬儀場使用料
- ・司会など運営スタッフ
- ・霊柩車
- ・火葬場使用料金
- ・手続き代行
【飲食の費用】
- ・通夜ぶるまい
- ・精進落とし
【寺院に納める費用】
- ・お布施
- ・戒名料
が含まれています。最も低額の家族葬費用は約40万円ですが、飲食や寺院に納める費用は含まれていません。
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